FUJIROCK’10 31th/JUL

Roxy Musicが目的でFUJIROCKに2日目から参加。
道中The Milleniumの68年にしてラディカルすぎる音源(“Begin”)について熱く語る。もう2000年代の音楽はいいんじゃないか、という結論に達するけれどもとにかく新潟へ。

動き回る体力もないので、グリーンステージにシートをひいてまずはKula Shaker。私が中学生か、それくらいのときに“Hush”がラジオでかかりまくっていた。
メンバーが4人ということに驚き(アンサンブルがすばらしい)、またキーボーディスとのセンスのいいハモンドのフレーズに驚く。
ボーカルの退廃的な雰囲気がセクシー。

続いてホワイトに移動しThird Eye Blind。別に何も思わず。

グリーンに戻り、Jamie Cullum。ヒップホップの明らかな影響を受けた、ジャズ寄りの白人シンガーソングライター。
ピアノがやたらうまいのと、舞台慣れしている印象。バンドがまためちゃくちゃうまかった。
センスがいいとは思わなかったけれど、聴いていて楽しい。
リズムが前乗りか後乗りか、の若干ワンパターンなものではあるものの、ヒップホップのリズムに上手く歌を乗せていたように思う。

John Fogerty。圧巻。アメリカ文化の表層を体現しているかのよう。ギターがとんでもなくうまいし、バンドにギターがそんなに必要か?というくらいギタリストがいて、ギターへの盲目的な信頼を感じさせた。ドラマーがスキンヘッドのパワードラマーで、CCRというよりメタルのドラマーなんじゃないか?と思わせるところも面白かった。たぶんああいうミュージシャンの陰画として、黒人音楽やそれこそヒップホップが生産されてきたのだろう。

そして、お目当てのROXY MUSIC。思えば、Avalonを聴いて感銘を受けたものの初期のすんごいひねくれた楽曲が大好きだったり、やっぱり一番好きなアルバムはSirenで、Love is the Drugを聴くともうそれこそCan't Stop Beating Heartだったり、落ち込んでいた時期にCountry Lifeを聴いていたり、なかなか私にとっては大切なバンドである。
なので、モッシュピットの一番前で拝見。周りは古参と思われるファンの方ばかり、それも見事に変人ばかり。自分もその一員かと一抹の不安を覚える。
その内にバンドが登場し、みんなちょっとずつたるんだり太ったりしていてしかもみんなスーツでただの中年バンドのようだが、銀ラメのボディスーツを身にまとった女性メンバーやいわゆる”黒人”コーラス隊と合わさると怪しげな雰囲気。
セットリストは以下のよう。
1. Re-make/Re-model
2. Out Of The Blue
3. If There Is Something
4. While My Heart Is Still Beating
5. More Than This
6. Ladytron
7. Tara
8. Song For Europe
9. My Only Love
10. In Every Dream Home A Heartache
11. Jealous Guy
12. Virginia Plain
13. Love Is The Drug
14. Editions Of You(with 布袋寅泰
15. Let's Stick Together(with 布袋寅泰
16. Do The Strand(with 布袋寅泰
More Than Thisまではちんたらした雰囲気というか、予定調和的というか、銀ラメ女性以外テンションがあがっていない感じで、見ている私としてもなかなか、どう乗ればよいのかつかみかねる感じがあった。(そしてブライアン・フェリーの困り顔!いつもだろうが。)
しかし、Ladytronくらいから徐々にバンドも加速度を上げてきたと言うか、メンバー紹介されなかった若いギタリストが挙動不審ながらもギターソロをやってのけたりとか、そんなこんなでいいな!と思いながら見ていると、Jealous Guy。これで終わりかと思いきや、そこからの展開が滅茶苦茶かっこよかった!まずLove is the Drugのイントロで持っていかれ、布袋さんが登場し、最後はDo The Strandで乗り切れないまま終わるという、何ともへんてこな、しかし楽しい体験をした。Roxy Music の真髄はカタルシスのなさというか、上がりきろうとすると打ち止められリズムは変化しマイナー調になり、マニックなピアノやサックスが響き渡り、というところなのだろうと思う。一見色ものバンドながら、やはりアンサンブルや構成は凝っているし、何より格好いい。観れてよかった。