tragic

私はやはり悲劇がとても好きで、だから快ばかり求める人間はうんざりする。ボーイズ・ドント・クライ [DVD]

母親との近親相姦に苦しむ人の文章を読んでから、調子が狂った。

その話が本当なのか、作られたものなのかわからないが、メディアが提供する浅薄な話ではない感じがして、本当に悲劇的な感じがする。

同情とともに、一種の憧憬を禁じえず、また幼い頃から近親相姦の話を好んでいたことを思い出した。
そして、当然のごとく私の、私の家族への感情について考えの矛先が向き、うんざりしてしまう。
そんなはずはないと思いたいからであり、事実、思い返す限りそんなことはなかった。
けれども、無意識を持ち出されたら、何も言えなくなるとも思う。

悲劇を好むのは、悲劇から何かを学ぶと言うよりは、人間の根本にその状況で滅茶苦茶になりたい、死ぬほどの感情を味わいたいと言う親和性があるからではないのか。そんな気がする。

そういえば、「ボーイズ・ドント・クライ」をみた。
残酷と感じるほどに、人間のとる判断、態度の醜さや、現実を描き出していると思った。
だから、あの映画は、教訓的に見るべきものではない気がする。